防水関連について多くお寄せいただくご質問は下記の通りです。
各質問をクリックしていただくと回答が表示されます。
1.ケイ酸塩系防水剤は、どのようなメカニズムでコンクリートを防水しますか?
2.ケイ酸塩系防水剤の施工で、特に注意すべき点は何ですか?
また、ケイ酸塩系防水剤はコンクリートの水分と反応するため、施工面を水分供給し食指確認後塗布することが重要です。
乾燥した状態では効果が発揮されません。
さらに、施工後は散水養生期間を設けることで、より強固な防水層を形成することができます。
3.ケイ酸塩系防水剤は、どのような場所への施工が適していますか?
また、外部からの水の浸入を防ぐだけでなく、コンクリート内部の劣化(中性化など)を抑制する効果も期待できるため、橋梁の補修や、屋上、マンションの地下ピットなどにも広く採用されています。
4.防水の施工手順を教えてください。
1.下地処理
①清掃:
事前準備として施工面に付着しているゴミ、ホコリ、カビ、コケ、油分、泥などを完全(可能な限り)に除去します。
②ひび割れ・欠損部の補修:
大きなひび割れやジャンカ(コンクリートの骨材が密に詰まっていない部分)がある場合は、先行して止水補修を行います。浸透性防水剤は大きなひび割れに追従する事は難しい為、事前の処理が重要です。
2.散水
施工するコンクリート中に水分が保持された状態にしにします。これは、浸透性防水材の主成分(ケイ酸塩など)が、水を媒介としてコンクリート内部に浸透・反応するために不可欠な工程です。状態の確認: 表面に水溜まりが残らないようにし、コンクリート全体が均一に湿っている状態にします。
3.塗布
刷毛、ローラー、噴霧器等を用いて、コンクリート表面に材料を均一に塗布します。
4.散水養生
材料塗布後、コンクリート内部での反応を促進させるため、数日間は散水を行い、乾燥と湿潤状態を繰り返します。尚、この養生期間が、防水性能を最大限に引き出すために最も重要なポイントです。
5.防水に必要な道具は何ですか?
1. 下地処理用の道具
①ワイヤーブラシ、スクレーパーなど:
表面のゴミ、ホコリ、コケ、カビなどを除去するために使用します。
②電動工具(サンダーなど):
コンクリート表面の脆弱な部分(レイタンス)や、エフロレッセンスの除去に使用します。
③補修材、コテなど:
大きなひび割れや欠損部を補修するために使用する材料並びに道具として使用します。
④高圧洗浄機:
広い面積の汚れを効率的に除去するために使用します。
2.材料の調合・塗布用の道具
①刷毛(ハケ):
狭い場所や角(入隅、出隅)など、ローラーでは塗りにくい部分に材料を塗布するために使います。
②ローラー:
広い面積を効率よく塗布するために使用します。
3.養生用の道具
散水ホース・ジョウロなど:
施工前の水打ちや、施工後の散水養生に使用します。
6.塗布の厚みはどのくらいですか?厚みによる効果の違いはありますか?(塗膜厚)
7.雨の日でも施工できますか?
雨により材料が反応前に流れてしまい、効果を発揮しません。
浸透性防水はコンクリート内部で化学反応を起こすことで効果を発揮するため、雨は、その化学反応や仕上がりを阻害します。
8.塗布後の変色や質感に変化は起こりますか?
1. 表面の変色・質感の変化
①濡れ色:
塗布直後や雨に濡れた際に、一時的にコンクリートが濡れたような濃い色(濡れ色)になることがあります。これは、防水剤がコンクリートの細孔に浸透したことによるもので、乾燥すれば元の色に戻ります。
②表面の光沢:
施工直後はわずかな光沢感が出ることがありますが、これも乾燥や時間の経過とともに目立たなくなります。基本的に、浸透性防水は塗膜を形成しないため、コンクリートや石材本来の風合いを保つことが可能です。
2. 白化現象(エフロレッセンス)
浸透性防水の施工後に、表面が白くなる「白化現象(エフロレッセンス)」が起こる場合があります。これは、主に以下の理由で発生します。
①材料の過剰塗布:
メーカーが推奨する量を大幅に超えて塗りすぎると、コンクリート内部に浸透しきれなかった余剰分が表面に残り、白い粉となって固まることがあります。
②施工時の水との反応:
施工中や硬化途中に雨に降られたり、過剰な水打ちをしたりすると、材料が十分に反応せず、白いムラや結晶として表面に析出することがあります。
③下地処理の不備:
コンクリート表面に残っていたレイタンス(脆弱なセメントの層)や、既存のエフロレッセンスを十分に除去せずに施工した場合、これらが白化を誘発する可能性があります。
9.ケイ酸塩系防水剤と他の防水材(ウレタン塗膜防水など)の主な違いは何ですか?
一方、塗膜防水は、ひび割れ追従性が高く、様々な形状に対応しやすいという特徴があります。どちらの工法を選ぶかは、施工する場所や構造物の状態によって判断します。また、状況に応じて併用する場合があります。